中高生だからこそ、鍛えておきたいこと!【AQ】って知ってる? の話

教育

中2生や中3生の面談をしている際にお母さんがよく言います。

お母さん
お母さん

辛い想いをさせたくないんです。無理させてまで目指さなくても…

母の愛ですよね。お母さんの気持ちよく分かります。

でも、白米はこのフレーズにいつも引っかかります。

今後つらい経験をした時に、この子はどやって乗り切るんだろう?!って。

大体のケースが、このまま行くとピンチになるから、早めに手を打ちたい!という時にお母さんからストップがかかります。

子どもは志望校が決まり、やる気に溢れて、覚悟もできた。

でも、お母さんはそこまでしなくても…と。

このまま行ったら、もっと辛い想いをする。

なのに、目先の辛さから逃げてしまう。どっちが本人にとって辛いことなんでしょうか?!

本当に辛い経験をしないためにも、どうやって状況を変えていくか?!を考えられるようになってほしい。

大人になる前に経験できたら、かっこいい大人になると思いませんか?

ピンチをチャンスに変える救世主!成功の予感しかしません。

今日はそんな話です。是非読んで欲しい方々は、

  • 甘くて、優しいお母さん
  • もっと先の未来が見えてないお父さん
  • ストレス耐性のない中高生
  • もう大人になっちゃった新入社員君
  • 受験の追い込み前で戦ってる塾の先生たち

心の強い子育ててみませんか?

では、はじまり!

AQ

AQとは?!

AQ」とは、Adversity Quotientの略です。

日本語訳的には、「逆境指数」。

AQは日常の様々な逆境に対する個人や組織の対応力を測定、数値化するものです。

簡単に言ってしまうと、ピンチの時の対応力を数値化したものですね。

AQの友達に、IQやEQがいます。IQは、「知能指数」。EQは、「感情指数」。

両方とも若いうちから鍛えたいんですが、今回はAQの話をしましょう。友達の話はまた今度。

AQは、アメリカのハーバードビジネススクールの組織コミュニケーションや組織発展についての研究者、ポール・G・ストルツ(Paul G. Stoltz)博士によって提唱されました。

ポール・G・ストルツ博士は自著で、現代に生きる人たちは、家庭やビジネスの現場で、ストレスや過重労働、人間関係の希薄さなど、大小さまざまな逆境に立ち向かっており、その数は1日に23回もあると語ります。

そのストレス達と対峙した時に、AQの数値の違いにより、人が選択する行動が変わります。その3つとは、

  • キャンパー
  • 脱落
  • 登山家

「キャンパー」とは、その場やその状況に甘んじ、やり過ごす。8割の人がここに属します。

辛いことから逃げてしまう「脱落」。

状況を好転させようとする「登山家」。

AQは企業で注目されている

以前はIQが高いほうが成功する、と言われていました。

でも、それだけじゃ足りない。EQも必要だ!と時代は変化しています。

今は、AQも必要。IQやEQが高いのに成功しないのは、AQが低いからだ!とストルツさんは言います。

そりゃね、ピンチな時に改善をかける「登山家」が上司だったらいいよね。

企業としても、そういう人材を求めています。

一番困るのは、ピンチの時に逃げ出す上司。。。いや、部下でもまずいか。

組織に求められる人材は、逆境に強い人材です。

困った状況をひっくり返す思考と行動力。

それって社会人になってから養えるものでしょうか?!

AQの4つの要素と5つのレベル

4つの要素

AQは、COREと呼ばれる下記の4つの要素によって構成されていると言われています。

  • C…Control コントロール
  • O…Ownership 責任
  • R…Reach 影響の範囲
  • E…Endurance 持続の時間

この4つの頭文字を取って、CORE

では、詳しく見てみましょう。

コントロール

コントロールは、逆境に直面した際に、どれだけ自分をコントロールできるか?!という要素です。

ピンチの際は、基本的に慌てますよね。それを抑え、どう行動するのか。

今自分ができることは何なのか。

実は、これ、受験生にとってめちゃくちゃ大事な要素です。

神奈川公立高校入試は、日本の中でも難しいものに属します。

予期せぬ問題が出てきた時に、どう自分を立て直すのか。入試は英語から始まります。

全然できなかった場合、次の国語の時間にも影響が出ます。

そのままボロボロになってしまうのか?!

どこで自分が挽回するのか?!もう自分でしか立ち直せません。

塾は、色々な場面を想定し、色々な話をします。

でも、聞いていた話といざ直面した状況では、ストレス状況が違います。

経験していれば変わるかもしれない。模試って大事ですよね。

責任

責任は、ピンチに陥った時に、第三者のせいにせず、自分自身で責任を持って対処できるか?!という責任感を指します。

他責にせず、自責で対処するということですね。

以前の記事で他責と自責の話はしましたので、是非こちらも読んでみてください。

謝れる人のメリットと謝れない人のデメリット!あなたはどっち?の話

影響の範囲

影響の範囲は、現在直面している逆境が、自分自身の仕事や生活に与える影響度合いを予想する力のことを指します。

これも受験生にはとても関係しますよね。

高校受験の際に、英語で失敗してしまった話を先程しました。

英語と国語の時間で10分の休憩が挟まれます。

その際に、このままいったらどうなるのか、を考えて欲しいですね。

国語で取り返さないと!このままいったら志望校に合格できない…。

国語と数学で英語の失敗を取り返そう!みたいなね。

英語で失敗し、ピンチになった。その影響は4月に行く学校が変わるかもしれない…。

生活は変わりますよね。

それを瞬時に理解し、行動変化を起こせるか。

大学受験でも一緒ですね。この試験に失敗したら、浪人するかもしれない。

生活に影響がでますよね。

それを自分で予想できるかどうかの話です。

持続の時間

持続の時間は、逆境の持続時間を見積る力のことを指します。

先程の公立高校入試の話に戻しましょう。

英語で失敗した。国語と数学で挽回しよう。

ピンチは数学の時間まで続きます。ミスをしないように細心の注意を払う。

漢字や計算問題で間違わない。そのために、確認の時間が必要になる。

いつもより5分早めに終わらして、見直しの時間を作ろう。

ピンチの時間が把握できれば、作戦が立てられますよね。

要素の意味

COREが理解できていれば、逆境に立ち向かうためのシュミレーションが立てられます。

中3生でそんなん出来ないよ…って思うでしょ?!

いやいや、彼ら彼女らは、やりますよ。

中3生は大人が思っている以上に大人です。

全員はできなくても、やれる子は存在します。

厳しい模試で練習し、ストレスと立ち向かい必死になって勉強してきましたもん。

その過程が重要なんです。

ちゃんとストレスを自分のためにかけ、それに打ち勝ってきた子たちですから。

未来と真剣に向き合う受験期。

だから、合格発表でちゃんと泣けるんです。その結果がどうあれ。

AQのレベル

AQにはレベルがあります。

  • レベル1 逃避(Escape)……逆境に立ち向かえず逃げようとする
  • レベル2 サバイブ(Survive)……なんとか生き残ろうとする
  • レベル3 対処(Cope)……とりあえず対処をする
  • レベル4 管理(Manage)…… 逆境をなんとか管理し解決しようとする
  • レベル5 滋養(Harness)……ピンチをチャンスにし、逆境を栄養源としてさらなる飛躍を目指す

では、詳しく見てみましょう。

レベル1 逃避(Escape)

ピンチに一番弱い状態。「脱落」です。COREが何も備わっていない状態ですね。ピンチな状態を受け入れ、立ち直すのではなく、逃げてしまう。

難しいですが、逃げる選択もアリの場合もあります。

でも、逃げるなら、逃げ切りましょう。また、逃げた先でどう自分が動くかを計画することをおススメします。

それができれば、レベル1は卒業できますから。

レベル2 サバイブ(Survive)

何とか生存しようとするレベルです。その結果「脱落」にいくのか、「キャンパー」になるのかは自分次第でしょうね。

ピンチに思考が追いついていない状態でしょう。

この時間が長くなれば、なる程状況は不利に傾いていきます。何か手を打ちたいところですね。

レベル3 対処(Cope)

このレベルから行動が開始されます。状況を好転させるための手を打つわけです。

結果次第では、次のレベルにいけるでしょう。

失敗しても、手は打っているわけですから、「キャンパー」には留まれます。

受験期の子は、この段階の子が多いですね。

色々経験し、どうやったら点数が取れるのか、どうやったら効率よく勉強ができるのか、試行錯誤を繰り返します。

その過程で遊びたい欲求やストレス、時間のなさ、自分のふがいなさを経験します。

レベル4 管理(Manage)

管理職や経営者に必要最低限のレベルと言われています。

ネガティブが状況を予測可能な状態にでき、それを管理する。

受験期に成績が上がり始める子は、AQを知らなくても本能的にこのレベルに身を置きます。

次の模試で、点数の上下を客観的に見て、目標のために計画をたて、GAPを埋める行動をとります。

この時、感情のコントロールを覚えます。

目標の立て方は、以前のブログでも紹介しました。気になる方は、参考までに読んでみてください。

計画の立て方を知ろう

ストレス状況下において、子どもたちは進化を続けます。その進化が「成長」です。

レベル5 滋養(Harness)

ピンチを楽しめるレベルですね。ここまで来ると相当メンタルは強い状態ですよね。

状況を好転させるだけではなく、飛躍の材料とする。

諸葛孔明もびっくりな作戦を考え、実行し、成功させる。

でもこれって、本人の中では道筋がたってるんですよね。

思いつきではなく、様々な要因の対処を準備し、実行に移す。失敗したらこうする。

成功したら、次はこうする。

ってな感じで綿密に状況を俯瞰できるメンタリティーも持ち合わせている。

トップ高と呼ばれる高校群を受験する子に求められるメンタリティーですね。

AQを鍛えたほうがいい理由

理由① 負けない子

将来的に成功するメンタルにAQが必要なことは分かってもらえたと思います。

でも子どものうちから辛い想いをさせる必要ないんじゃないの?と思うお母さんが多いのは事実です。

でも、白米は断言します。

このままじゃ、負けた時に立ち直れない大人に育ちます!

辛い想いをさせたいわけじゃない。

でも、志望校に合格するために、必要な努力をしてほしいんです。

その努力の過程で味わう辛さ、ストレス、憤り、自問自答、自己解決能力を身に着けてほしい!

根性論で話をしたいわけじゃないんです。

自分で思考し、試行を重ね、自分で道を切り開く。

正解は1つじゃない。

大人が考えているよりも柔軟な発想を持っているからこそ、色々と取り組んでほしいんです。

そして、自分で決めるという責任感を持ってほしい。

失敗しても、成功しても取り返しがつく学生時代だからこそ、努力を積み重ねてほしい。

その子が大人になった時に、ピンチにへこたれない大人になってたら素敵でしょ!

逆境に負けない、メンタルの強い子に育てましょう!お母さんの愛は理解していますが、本当の意味での「優しさ」は、撫でることではないはずです。

その後の未来を強く生き抜き、戦う子に育てることも重要なはずです。

理由② IQ、EQだけじゃだめがヒント!

IQ(知能指数)だけではダメなんです。EQ(感情指数)が高くてもダメ。

どんなにいい大学に行っても、ピンチの際に逃げ出す大人は信用を失います。

いい大学に行けることは、可能性を最大化します。

だから勉強は大事なんです。

そして、勉強を通じて、努力ができる子だからこそ、企業は優先して採用したがります。

仕事は一人ではできません。

利己的に、エリート思考で、傲慢に人に接したり、ネガティブな状況で激高したり…そんな人と一緒にいたくありませんよね。

EQが高い人は、チームビルディングが上手です。

でも、ピンチの際に計画が立てられないリーダーは、どんなに高学歴でも、どんなに人が良くても結果が伴いません。

そんなリーダーについていきたいですか?!また、そんなリーダーが我が子ならどうでしょう?!

ピンチに慣れるのも大事な経験なんです。

そんな状況いくらでもありますよね。先述しましたね、

ストルツさんは、1日23回のストレスを経験しているというんです。

それとうまく付き合える子を育てませんか?!

理由③ 人生を楽しむ!

壁にぶつかっても、その壁をどう乗り越えるか?!そんな楽しみ方をしている人は、AQの高いひとですよね。

逆境であっても楽しめるメンタリティーを持っている。

それは挑戦意識が高いんです。

挑戦できる人は、充実しています。

楽しい時は、心から楽しむ。

辛い時は目標に向かって努力する。その過程を楽しむ。

色々なことに一生懸命な子を見ると、白米は自分も頑張ろうって思えます。

だから、お父さん、お母さんも、自分のお子さんから勇気をもらってください。

楽しんでいる我が子って嬉しいじゃないですか!

ご家庭でできること

ご家庭でできる3つのこと

さて、AQが将来的に役立つことが分かって戴けたかと思います。日頃からお父さん、お母さんがお子さんにできる3つのことを提言します。

  • ①見守る
  • ②チャレンジさせる
  • ③承認する

では、一つ一つ解説していきます。

①見守る

実はこれが一番難しい。大人は子どもよりも経験値が多い分、沢山の道を知っています。

だから、アドバイスができるんですが、これが視界を狭めてる可能性があります。

子どもたちの思考を制限させているかもしれません。

思考することは、日頃からの訓練で身に付きます。

お母さんが、「こうしなさい!ああしなさい!」を言いまくることで、子どもたちは思考しなくなるのです。

ピンチの時に必要なものは、思考力情報処理能力

その思考力を遮ってしまうのはちょっと…

口出ししたくなるのは分かるんですがね。我慢する時は我慢しましょう。

行動に口出しし、制限するのではなく、未来を想像させて、自分の行動を自分で決めさせるのです。

勘違いしてほしくないのは、見守ることと放置することは違います。

明らかに間違えた行動をしているならば、必ず口を出しましょう。

その時はちゃんとその行動に至る経緯をしっかりと聞き、何が違うのかを気付かせあげましょう。

②チャレンジさせる

ポイントは、無謀ではなく、ちょっと高い壁に挑戦させることですね。

第1に、挑戦させる

第2に、壁を超えるための努力をさせること。

その努力はストレスになると思います。でも正しい負荷のかけ方だと思います。

筋トレと一緒です。筋力をUPさせるのに筋トレしますよね。

より大きい負荷は大きな筋肉を作ります。

でも、いきなりベンチプレス100kgとか無理でしょ。ここはコツコツが大切。

負荷をかけることを恐れないください。

過保護になれば、なるほど弱い子が出来上がります。

その弱い子の面倒をいつまでみますか?お母さんが、おばあちゃんになっても面倒みれますか?

いつかは独り立ちするのです。

ていうか、独り立ちしてもらわないと困ります。

だから、少しづつでも、負荷をかけましょう。目標のために、チャレンジさせましょう!

③承認する

チャレンジさせたら、どんな結果であれ、承認しましょう。チャレンジが成功、失敗は結果です。

本人はそれを受け止める義務はあります。

その過程が大切です。

過程で得られる抽象的概念が積み重なることで、次のチャレンジが成功の可能性を高めます。

だから、承認するポイントは、何を頑張れたのかを話してあげてください。

結果ではなく、過程を大事にしてあげてください。

セットで何か得たモノがあるかを子どもに問いましょう。

そのチャレンジに付加価値をつけてあげることで、次に立ち向かう勇気になるはずです。

子供だけじゃない!

そもそも人事系で重視され始めたAQですから、会社で部下の方々にも使ってみてください。

プロセスは全く同じです。見守り、主体性を高めましょう。

主体性は責任感を育みます。そして、適切な負荷かどうかをヒアリングしましょう。

相手は子どもではないので、ヒアリングをし、ホウレンソウをさせましょう!ホウレンソウに関しても以前お話をしましたね。気になる方は、要チェック!

「ほうれんそう」と「ちんげんさい」で無理なく仕事をする!の話

仕事の上では、失敗しても大丈夫と言ってあげられないので、失敗しそうなら、必ずアドバイスをしてあげてください。その上でも、ホウレンソウは大切ですね?

フィードバックは必ずやってあげてください。

フィードバックは承認するチャンスですし、間違えた行動を修正するチャンスでもあります。

やる気に溢れた部下であれば、フィードバックを自分から求めてくるでしょう!

子どもも部下も一緒です。

失敗にめげずにチャレンジする姿勢、ファイティングポーズ、途中でピンチになってもどう立て直すか。

仕事も勉強も一緒ですよね。

まとめ

さて、今回は、AQについてお話をしました。子どもの将来において鍛えて欲しい能力についてのお話です。

AQとは、「逆境指数」のことです。ピンチに直面した時の対応力のことです。

それを育てるために、適切な負荷をかける。

いじめるのとは意味が違います。

大事なのは、目標のために自らの行動に負荷をかけ、それに打ち勝つこと色々な場面を想定し、できる限りの準備をすること

受験というハードルは成長にとっては、経験値の高いフィールドです。お母さんがヒヨっちゃダメです。

お父さん、お母さんができることは、

  • ①見守る
  • ②チャレンジさせる
  • ③承認する

我が子の成長を楽しみましょう!

逆境に負けない強い子に育てましょう!!

もし、勉強になったと思う方は、他のママ友パパ友にシェアーお願いします。

ライン、フェイスブック、ツイッターで拡散できます。宜しくお願いします。

では、また。

タイトルとURLをコピーしました